フランスのギュスターヴ・ルシーがんキャンパスにおいて、アイメリック・シルヴァン博士をはじめとする研究者たちは、COVID-19等の疾患に対する患者の反応を迅速かつ確実に予測し、患者の予後を向上させる適切な治療標的を特定する方法を探求しています。COVID-19に罹患した人々の中で、なぜ一部が重度の呼吸困難を発症し入院が必要となるのに対し、他の人々はそうでないのかを理解するため、各患者から採取した血液サンプルを数時間以内に細胞および遺伝子レベルで評価しています。

Aymeric博士とその研究グループはCytek Auroraの先進技術を用いて、高解像度で詳細なパラメータデータを作成しています。このデータはUMAPなどの分析ツールを用いてさらに視覚化されます。細胞の頻度とカルプロテクチン遺伝子の発現レベルを分析することで、患者がウイルスにどの程度の反応を示すかを予測でき、その結果に基づき個別化されたケアと治療を提供しています。

この研究の詳細については、 Aymerich博士の論文をお読みください。

季節性インフルエンザウイルスは急速に変異を遂げるウイルスであり、人の健康に対する脅威となっています。毎年、このウイルスに対して効果的なワクチンを開発することは、ワクチン開発者にとって終わりのない挑戦です。ワシントン大学のAli Ellebedy教授の研究チームは、インフルエンザワクチン接種後のB細胞の反応を調査し、ワクチンから得られる抗体反応の改善を目指して研究を行っています。

Ellebedy博士率いる研究チームが行った最近の研究の一つに、インフルエンザワクチン接種前と接種後の人体における胚中心での反応を調べた研究があります。彼らはCytek AuroraとシングルセルRNAシークエンシング技術を用いて血液とリンパ節のサンプルを分析し、インフルエンザワクチンが胚中心での反応を引き起こし、疾患に対するより強力な抗体応答を促すことを発見しました。この研究の詳細については、こちらの論文でご覧いただけます。